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■ オオムラサキ飼育記録

● はじめに … 失敗の連続
2008年3月9日、いつもお世話になっているKさんに誘って頂き、私にとっては初めてとなるオオムラサキの幼虫採集にチャレンジすることとなった。

3月とオオムラサキの幼虫採集としては少し時期的には遅い採集だったが、それでもオオムラサキの幼虫3頭、ゴマダラチョウの幼虫1頭を採集することができた。

はじめてのオオムラサキの飼育ということもあり、エノキの幼木も用意し準備万端で飼育に臨んだが、残念ながら蛹までもっていけたのは1頭だけで、結局その1頭も羽化することなく終わってしまった。
2008年3月9日 初採集 すくすく育っていた 蛹までいったが・・・

そしてリベンジを果たすべくその年の12月13日にも幼虫を少数採集し、翌年春に緑化した幼虫3頭のうち家で1頭だけ飼育した。 (残り2頭はKさん宅のエノキで育ててもらうことに・・・)

家で飼育していた1頭だが、エノキの食いつきもよく順調に育っていたように見えたが、またしても蛹になったとたんに★になってしまった。
(残念なことにKさんのところでも2頭とも落ちてしまったとのこと)
2008年12月13日 リベンジ採集 順調かに思えたが・・・ 蛹化直後から黒ずみがみられ・・・

いったい何故失敗してしまうのか? しかしその答えは結局見つからず・・・

こうなれば意地でも羽化までもっていかねば・・・



● 2009年12月6日
失敗続きのオオムラサキ幼虫、もうあきらめようかとも思ったが、やはり羽化まで何とかもっていきたい。

というわけで、またしても幼虫採集へやってきた。


成果は上々。 あとはちゃんと羽化まで持っていかなくては・・・

このまま春まで軒下の気温の低い所に置いておこう。



● 2010年5月3日
エノキの植木に網掛していたオオムラサキの幼虫を取り出してみた。

ただその時に写真を撮っていなかったので、下の2枚の写真は過去のものを掲載した。


すでに緑化している幼虫もいたが、残念ながら中には緑化できずに★になってしまった幼虫も・・・

網掛する前にも寒暖の変化でちょっと落ちてしまっているので、思っていたより少なくなってしまった。


結局、緑化した幼虫は12頭になってしまった。

この中から何とか成虫までになってくれるといいのだが・・・


さてここからなのだが、植木のエノキは まだまだ幼木なのでこのまま育て続けるには餌としてはじゅうぶんとは言えない。

そこで今回も過去2年と同じ方法で育てる。

これは私が考えた方法だが、野外で摘んできたエノキをオアシスにさしプラケースに入れ、そこで飼育するというもである。


単純にオアシスにさして網掛けすればいいと思われるかもしれないが、エノキは水の吸い上げが悪いため、この方法だけではあっという間に枯れてしまう。

そこでプラケースにいれて保湿性を高めてやると、およそ1週間くらいは枯れずにもつし、その間にじゅうぶん餌を与えることができる。

ちなみにプラケースにはクワガタ飼育から使っているコバエシャッター(大)を使用している。

とりあえず「1ケース(6頭)×2」で飼育する。



● 2010年5月16日
成長にバラつきがあるが概ね順調に育ってる。 中には終齢へと加齢しているものもおり、これから餌をバリバリ喰うことが予想される。


そんなわけで、「1ケース(6頭)×2」から「1ケース(3頭)×4」にした。


ケースの交換をしてしばらくすると、1頭が脱皮し始めた。



● 2010年5月26日
一頭だけだが早くも前蛹になっているものがいた。


とにかく前蛹になったので、このまま無事に蛹となって羽化してほしいと願うのみである。

昨年、一昨年の失敗は何とか避けたい・・・



● 2010年5月28日
26日に前蛹となった個体が本日無事に蛹化した。

問題はここからである。 とにかく無事に羽化してほしい。



● 2010年6月3日
今日、2頭が前蛹になっていた。

しかしそのうちの1頭がケースの側面、しかも下の方で前蛹になっていた。 とりあえず そっと剥がし、四苦八苦して疑似枝の棒に糸でくくりつけてみた。 これで無事に蛹になってくれればいいのだが・・・

こんな感じでくくりつけてみた こちらは葉上で前蛹となっていた

その他、オオムラサキの幼虫たちの様子。





● 2010年6月5日
これまで飼育していたオオムラサキ幼虫だが、順調に蛹となっている。

向こう側に見える蛹は、6月3日に紹介した糸でくくりつけた固体。 これも無事に蛹となってくれた。






● 2010年6月7日
3頭居るはずのオオムラサキの幼虫ケースを見ているとどうも1頭見当たらない。

何度見ても2頭しか見当たらないので、ケースを開けて探してみた。

そして何気に下の方を見ると落ちた葉のように下に転がっている。

よく見ると既に前蛹になっているようで、もう自力で動けなくなっている様子。

とにかく救出しないといけないのだが、前蛹になってしまっているしどうしたものか・・・




アゲハなら三角錐のような形状のものを作り、その上に乗せておくだけでいいようだが、オオムラサキはタテハチョウ科なので蛹は逆さにぶら下がる垂蛹型なのである。

いっそのこと木工用ボンドでくっつけようかとも思ったが、体内に浸透する危険もあるし、そもそも垂蛹型のしくみもそういうことで解決できる単純な構造でも無さそうな気がする・・・


困ったのでベテランのKさんに相談してみると重要なことを教えてもらうことができた。

垂蛹型の蛹は、脱皮する時に自分で台座にお尻の部分を引っ掛けるとのこと。

やっぱり単純にボンドでくっつけたらいいというもんでなさそうなので、それは実践しなくてよかった。


さてどうしたものかとコットンパフの上に置いてた幼虫を見ていると、まわりについてた不織布のようなものに自分の脚でしがみついているではないか。

これはもしかして望みありか!?


というわけで、そっとそれを割り箸に巻きつけて徐々に立ててみると・・・

大丈夫! 落ちない!!

この不織布がいい具合に台座代わりになるかも・・・

とりあえず、そのまま見守るとしよう。



● 2010年6月8日
昨日の前蛹は、自分で不織布の部分にお尻を引っ掛けたようで無事に蛹へと変態していた。




そして本日、連続蛹化シーンの撮影をすることができた。(連続蛹化シーンは、こちら から)

こういったシーンはクワガタで何度も見ているが、実に神秘的なシーンである。

しかし本当にうまいことお尻の部分を台座に引っ掛けるものだと感心した。



● 2010年6月14日
今日の朝、オオムラサキが羽化した!!

待ちに待った念願の羽化である。 じつに嬉しい!




昨年、一昨年は蛹まで行ったけどそこで★になってたので、今年こそは何とか羽化まで持っていきたいと思っていた。

そして本日ようやく無事に羽化し、小ぶりながらも立派な♂の成虫の姿を見ることが出来た。


ただ残念ながら早朝だったためリアルな羽化シーンは見られなかったが、とにかく無事に羽化してくれたことが嬉しい。

この3年間、エサ集めなんかも随分苦労したし・・・


さて下の写真は帰宅後、夜に撮影したもの。





そして残念なことも・・・

ここまで9頭が蛹になっているのだが、10頭目の幼虫がどうやら蛹化中に息絶えてしまった様子。

もう写真は撮らなかったが、残念ながら変態中に★になってしまったようだ。

結構大きくて立派な幼虫だったので本当に残念。

なかなか、すべてがうまいこといかない・・・



● 2010年6月18日
夜になって、6月3日に紹介した疑似枝の棒に糸でくくりつけた個体が今にも羽化しそうなので、机の上に置いてちょっと観察してみることにした。





カメラをセッティングして一時間ほどが経ち、横でPCをイジッてると「パリッ!」という音がした。

蛹にふと目をやるとヒビがはいっていた。

いよいよ羽化が始まった。

羽化シーンはこんな感じ。 (連続羽化シーンは、こちら から)




まさに感動シーンである。

このシーンが見たくて3年オオムラサキの飼育をチャレンジし続けてきたようなものだ。

Kさんからオオムラサキが蛹から出てくる時、「『パリッ』って音がするよ」と聞いていたのだが、本当に「パリッ!」っていう大きな音がした!!






とりあえず目標であった羽化まで持っていくこともできたし、蛹化シーン、羽化シーンもリアルタイムで見ることができたし、これでオオムラサキの飼育で思い残すことは無いかも・・・

これを書いている時点で3頭が羽化、7頭蛹、1頭前蛹である。 そして羽化した3頭ですが今のところすべて♂となっている。

もう少し飼育は続くのだが、このオオムラサキ飼育記録は、目標も達成できたのでこれをもって終了とさせていただこうと思っている。







● あとがき
今回は順調に羽化もしていたのですべて無事に・・・ と思っていたのだが、後半になると、昨年、一昨年と同様に蛹で★とか羽化不全とか起きた。

結局、無事に羽化したのは7頭で、すべてがオスであった。

(ちなみに、6月7日で紹介した個体も無事に羽化しました。)


ただ後半、メスと思われる大きな蛹が次々と★になったのは非常に残念であった。

これについては、夏に近づくにつれ管理部屋が気温上昇したせいなのかもしれないと思った。

う~ん・・・ なかなかうまい具合にはいかないものである。


しかしながらエノキさえ何とかすれば、まだ飼育しやすいという印象だった。

まあ、そのエノキが水の吸い上げが悪くて苦労するのだが・・・

庭にエノキが植えてあれば飼育はもっと楽になるが、我が家にはそんなスペースはない。

であるから、餌としてのエノキは自生しているものを せっせと摘んできていた。

ただし越冬幼虫が緑化する時、芽吹きが始まるかどうかくらいのエノキがあったほうがいいので、摘んできたものでは対応しにくいと思う。

なので私の場合、取っ掛かりにはエノキの幼木を用意している。

そろそろ緑化しそうだというタイミングで、この幼木に網掛けをして枯れ葉についた幼虫を入れておくのである。


順調に行けば幼虫はすくすく育ち、あっという間に大きな終齢幼虫となる。

そうなれば餌もよく食べるので、これまた餌集めが大変である。(庭にエノキがあればこの苦労は無い)


そんなこんなで、今回は少ないながらも最終的に7頭(すべてオスだったが) 羽化でまで持っていくことができたので、私のオオムラサキ飼育もほんの少しくらいは進歩したかな?



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