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採集で出会う危険な生き物たち
■ スズメバチ
クワガタ採集へ行くと必ずと言っていいほど出会うスズメバチ。 クワガタ採集へ行かずとも結構あちらこちらで見かけることがあります。

 そんな普通にいるスズメバチですが、実はこいつがもっとも危険な存在だと言えるでしょう。

 年間を通してマムシやハブといった蛇や熊による死亡事故よりも、スズメバチに刺されて亡くなる方の数のほうが圧倒的に多いようです。

 クワガタが好む樹液には、スズメバチもやってきます。 ですから遭遇する機会も増えるので注意が必要です。

 スズメバチは日本に3属16種が生息しています。 その殆どが毒を持ち危険です。  特にオオスズメバチやキイロスズメバチなどは、凶暴な性格で攻撃性が強いため、出会ったらじゅうぶんに気をつけなければいけません。

 そして最も危険なのは、知らないうちにスズメバチの巣に近づいてしまうことです。  その場合集団で一斉に襲ってきますので、そうなってはもう手遅れです。  クワガタ採集において籔こぎをする場合がありますが、そういう時は特に注意が必要でしょう。

 実は私自身、クワガタ採集を本格的にするようになるまで知らなかったのですが、オオスズメバチの巣は土中や樹洞に作られるようです。

 それまで私の知識ではスズメバチの巣と言えば、まんだら模様のわりと大きな巣で、樹上や民家の軒下とかにと作られると思っていたし、 そういうのが樹上に無いかなと注意する程度でした

   しかし土中や樹洞に巣があるとなると、はっきりいって外観でまったくわかりません。 知らないうちに巣に近づく可能性もあるのでじゅうぶんに注意しなければいけません。

 スズメバチは非常に強い毒性の毒針を武器にして攻撃してきます。 特に2回目に刺されるとアレルギーにより引き起こさる「アナフィラキシーショック」に 陥り死に至るケースもあるので、たかが虫といって決して侮ってはいけません。

 スズメバチは黒色の物に対して激しい攻撃することが知られています。  これは巣を襲う天敵であるクマが黒いので特に黒色には敏感に攻撃してくるのであろうと言われています。 

採集へ行く時は少しでも危険を回避するために、極力白っぽい服装などのほうがよろしいかと思います。  ヘアスプレーや香水などの匂いもスズメバチを刺激することになるので注意しましょう。

ならば巣に近寄らなかったらいいのかというとそうではありません。  オオスズメバチなどは特に縄張り意識が強いため、樹液場においても威嚇してくることがあるので油断は禁物です。

9月後半あたりから秋にかけては、新女王蜂を育てる時期なるためか特に凶暴になりますのでよりいっそうの注意が必要です。

毎年のようにスズメバチに刺されて亡くなっている方がいるのですから、最も注意しなければいけない存在でしょう。



スズメバチ写真集


オオスズメバチ  07.9.1 京都市


キイロスズメバチ  09.8.15 京都市


ヒメスズメバチ  09.8.30 京都市


モンスズメバチ  08.5.17 京都市



■ マムシ
日本のヘビは数種類いますが、実は毒を持った種類の方が少ないのですが、マムシはその数少ない種類の毒ヘビなのです。

 頭は三角形で太く短いずんぐりとした体型で、黒っぽい色から赤褐色で背中には特徴的な楕円形の斑紋があります。

 特に水辺や湿った場所を好み、森林やその周辺の田畑に棲息しています。

 上顎に一対の毒牙があり強い出血毒を持っていますが、性質もそれほど凶暴ではないので、意外と死亡例は少ないようです。  とはいえ毒蛇であることには違いないので、噛まれないように注意しないといけません。

 マムシは湿り気のあるような場所を好むため草むらや樹洞に潜んでいる場合があります。

 特にクワガタ採集の時、急に樹洞をのぞき込んだり、いきなり手を突っ込んだりするするのはやめましょう。  性格がそんなに凶暴でなくとも、マムシの方が驚いて噛まれるなんてことになると大変です。



マムシ写真集


成蛇。 いわゆる普通のマムシ。
(石川県にて)



亜成蛇。 顔のアップ。
(滋賀県にて)



成蛇。 色彩変異バージョン。赤まむしかも?
(滋賀県にて)



幼蛇。 幼蛇はしっぽの先が黄色いのが特徴。
(福井県にて)


<マムシ写真集 解説&写真提供> むしぶんさん



■ ヤマカガシ
ヤマカガシは平地から山地まで生息するヘビで、主食であるカエルのいる水辺に多く水田や河川周辺や山地の谷川の周辺に生息しています。

 棲息する地域によって体色の変異がかなりあるようです。

 ヤマカガシは口の奥に毒牙があるため噛まれてもすぐに毒が注入されないため、しばらく毒ヘビと判らなかったそうです。

 しかし実は猛毒を持つことがわかり毒が注入されにくいとはいえ、その毒が体内にはいるとアレルギー性ショックを引き起こす場合もあるので決して侮ってはいけません。  実際に死亡事故も起きているようです。

 またヤマカガシは首の後ろにも毒腺を持っており他のヘビを持つように首をつかむと毒が飛び散り、これが目にはいると失明するおそれもあるので注意しなければなりません。



ヤマカガシ写真集


成蛇。 赤と黄色がくっきりしたタイプ。
(富山県にて)



幼蛇。 幼蛇は首の黄色い輪っかが特徴です。
(兵庫県にて)



成蛇。 背中が黒っぽいタイプ。
(兵庫県にて)



亜成蛇。 中国地方に多い青い斑紋を持つタイプ
(兵庫県にて)


<ヤマカガシ写真集 解説&写真提供> むしぶんさん



■ ヤマビル
ヤマビルの体長はだいたい2cmくらいですが、伸びたり縮んだりで大きさが随分変わり縮んだ時はかなり小さくなります。

 ヤマビルは山地性のヒル自然界では、サル、イノシシ、シカ、カモシカなどの野生動物にとり付き吸血します。

 しかし人間も例外ではありません。

 ヤマビルは湿気の多いところを好み、樹上の木の葉の上や落ち葉の下などに潜んで吸血する機会を伺っています。

 そして吸血対象となる動物や人が近づくと、すみやかにとり付き吸血します。

 シャクトリムシのように移動しそのスピードは結構早く、人にとり付いた場合は衣服の隙間を見つけるとあっという間に潜り込んで肌に吸い付きます。

 ヤマビルは吸血する時、ヒルジンという物質を出して血液が凝固しないようにします。  それと同時に痛みを感じさせない物質を出し吸血されてるということを感じさせないようにします。

 このように痛みがないため、ヤマビルに吸着されていることに気がつかない場合が多いです。  自分の体重の何倍もの血をたっぷり吸い、パンパンになると離れるようです。

 ヤマビルが離れた後もヒルジンのおかげで、なかなか出血が止まりにくく血がタラタラと流れるので気をつけなければいけません。

 ヤマビルは毒は持っていませんが、離れた後は細菌感染を防ぐために傷痕はよく洗浄し消毒、止血をするようにしましょう。





■ マダニ
ダニには、イエダニなど目に見えない程小さな仲間と、マダニと呼ばれる少し大きめの仲間と、大きく分けて二つの仲間があります。

 マダニの仲間は数種類おり、固い外皮に覆われ、動物に寄生して吸血します。

 大きさは血を吸う前の状態で約2、3mmで、血を吸うとなんと約10倍くらいに大きくなるそうです。

 マダニは草むらなどに潜み、野生動物たちに寄生する機会を伺っています。

 口器を動物の皮膚に刺しこんで吸血しますが、この口器にはギザギザした突起があり一旦差し込むと抜けにくい構造になっているようです。  さらにセメントのような物質を分泌しガッチリと固定するという念の入れようです。

 無理やり引き離そうとするとちぎれるだけで、マダニの口器と頭部は皮膚の中に入ったまま残ってしまい、化膿したり時には伝染病などに感染することがあります。

 マダニの仲間は、細菌、リケッチア、ウイルスなど多くの病原体を媒介することが知られており、ライム病、日本紅斑熱など怖い疾患を発症することもあるようです。

 一般にマダニによる疾病の伝播は、マダニが付着して48時間以内ではその危険性は低いと考えられています。

 ですからマダニに刺されたら、自分で無理やり引き離そうとせず、すみやかに病院へ行き処置してもらうのがいいでしょう。

 実は私も長野県に採集へ出かけた時、背丈ほどの熊笹の中を藪こきし、マダニに刺されてしまったことがあります。

 京都へ帰ってからマダニに肩口を刺されているのに気が付き、夜中でしたがそのまま救急の病院へ行ってダニを取り除いて貰ったことがあります。

 その際一針だけですが縫われてしまいました。 その後定期的に病院へ通い2週間くらい抗生物質を飲んでました。 

 このようなことの無いように皆さんも採集へ行く時はマダニには気をつけてください。

 特に高山帯へ行くとマダニも多く生息していますが、わりと低地の野山や公園にも生息していることがあるので、犬や猫などのペットへの寄生にも気をつけたほうがいいでしょう。

■ ムカデ
毒性は低いものの、噛まれると赤く腫れ上がるとともに激しい痛みに襲われます。

 そして時にはアレルギー性ショックを引き起こす場合もあるようですが、死亡事故につながるようなことはまずないようです。

 しかしヘビとかと比べると、個体数が多いのでフィールドで遭遇する機会はこちらのほうが圧倒的に多いのです。

 時には民家にも侵入してきますが、ムカデは暗く湿った場所を好みクワガタ採集へ行けば必ずと言っていいほど見かける存在で、 樹洞やウロに潜んでいたり、木の根本や周辺を徘徊しているものなどいたる所で遭遇します。

 気付かずに触って噛まれないように注意しましょう。

■ イラガ
毒があるのは幼虫だけで成虫は無毒。

 カキ、サクラ、カエデ、ヤナギ、クリ、ナシ、ウメ、クヌギなどの木に付き、時には街路樹などにも発生することが知られています。

 幼虫の体長は20mm前後と小さい虫ですが、体の背面に多くの棘がありこれに触ると激しい痛みを生じるので注意しなければいけません。

 写真はアオイラガの幼虫で、黄色い体に青いラインがあり棘を多く持っていて、他のイラガの仲間と同じように刺されると激しい炎症を起こします。

 とにかく触らないように注意しましょう。

■ その他
クワガタの棲息するような場所には、他にも多くの危険な生き物たちがいます。

 危険な動物といえば、ヒグマ(北海道)やツキノワグマ(本州、四国、九州)、イノシシ、野犬といった野生動物たちでしょう。  彼らには毒はありませんが、襲われることがあり時には死亡事故にもつながるので、できれば出会いたくない存在です。

 山で野生のサルやシカと出会うことがあります。  サルはそんなに危険な動物ではありませんが、集団と遭遇するとあまり刺激しないほうがいいかもしれません。

 沖縄のほうへ行けばハブといった猛毒を持つヘビもいます。 ハブはマムシの仲間ですがジャンプ力があるようなので近づかないようにしましょう。


 先に取りあげたスズメバチ以外の昆虫たちにも危険なものはいます。  アシナガバチもスズメバチ科のハチで毒を持っており、アナフィラキシーショックに気をつけなければいけません。

 アリの仲間には毒針で刺すもの、蟻酸を噴射して攻撃するもの、咬みつくものもいるようです。

 あと有毒な液体を持つオサムシ類やゴミムシ、有毒な体液を持つカミキリモドキ、ハネカクシ、ツチハンミョウなどの昆虫たち、 最近外国から入ってきて国内で繁殖をしているセアカゴケグモとかにも注意が必要です。


 両生類のヒキガエルやアカハライモリも実は毒を持っていますので注意しましょう。


 ヒルも先に紹介したヤマビル以外に、水田や沼、池などに生息するチスイビルや近畿以西の渓流に生息するハナヒルなどにも注意すべきでしょう。

 特にハナヒルは私も最近まで知らなかったのですが恐ろしい存在です。  渓流の水を飲む動物などの口や鼻から侵入し、のどや鼻の中に長期間吸着するとのことです。

 吸着する場所によっては気道を塞がれ窒息してしまい、死に至ってしまうことがあるというかなり危険な種です。  もし体内に吸着された場合は、医者で取り除いてもらうしかないようです。

 渓流で水などを飲む時には、ハナヒルがいないかどうか注意しないといけません。


 他にも毒を持った植物やキノコなど自然にはいろいろ危険なものたちはあるかと思います。  自然界にはこういった危険なものたちが存在するということを知っておくことは、非常に重要なことだと思います。

 しかしそんな危険なものたちも、また自然の一部だということも知っておかなければなりません。




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