まず最初に人工蛹室の作り方は、既に先輩諸氏のホームページなどで紹介されているかと思います。
ここであらためて私がどうこう言うことは無いかも知れませんが、ここでは自分なりの人工蛹室の作り方を紹介しようと思います。
興味のある方は参考程度に見てください。 もし自作されるのでしたらあくまでも自己責任ということでお願いいたします。
クワガタ飼育を始めて間もない頃は、人工蛹室なんて使うことは無いかなと思っていたりしたのですが、実際にクワガタやカブトの飼育をしていて
人工蛹室の助けが必要と感じることがありました。
幼虫が自然に作った蛹室で羽化してくれるのがベストなんですけど、上の写真のように菌糸ビンで飼育していると
蛹室内にキノコがニョキニョキはえてくることがあります。
このようにはえてきたキノコは意外と伸びるのが早く、放っておくと蛹室がキノコまみれになり蛹を圧迫して危険な状況に陥ってしまいます。
こういった時や羽化の観察をしたい場合などに人工蛹室を用意しています。 |
まずは用意するもの。
●オアシス |
私の場合、100円ショップで売られているオアシスもどきを使用しています。 |
●ケース |
タッパーでもいいのですが私はコバエシャッターを使用しています。 保湿性も良好です。 |
●カッターナイフ |
作る蛹室のサイズに合わせてオアシスをカットするのに使います。 |
●スプーン |
蛹室を掘ったり、形を整えたりするのに使用します。 |
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では作ってみましょう。
まず最初に、オアシス(もどき?)を 水でじゅうぶん湿らせます。
もし湿らせないでそのまま使用すると緑の粉が散らかって大変な事になるからです。というわけで、これは結構重要な作業かもしれません。
そしてカッターナイフで目的の大きさに切ります。
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スプーンを使って投入する蛹の大きさを考え、蛹室の大きさの目安をつけておきます。
サクサクなので、スプーンの先で簡単に印がつけられます。
こんな感じで蛹室となる全体の大きさで印をつけておきます。
この場合、後で修正が利きますから少々ガタガタのラインになっても構いません。
ただし大きさそのものは間違ってしまうと後で修正が利かないのでご注意を。
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印に沿ってスプーンで掘っていきます。
サクサクでちょっと力を入れただけでどんどん掘れてしまいますので、掘りすぎに注意しましょう。
そして穴掘り作業完了です。 この時はまだ歪でデコボコだらけですが、後で形を整えるのでとりあえずこれでOK。
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そしていよいよスプーンや指先で形を整えていきます。 蛹室の表面がデコボコのままだと羽化の時に悪影響があると思うので、できるだけ滑らかにします。
お世辞にも綺麗とは言えませんが、まずまず見られる形にはなったところで人工蛹室は完成しました。 (もっと丁寧に綺麗に作り上げたほうがいいかもしれません。)
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出来上がった人工蛹室をケースにセットします。
まずクッションとなる水で湿らせたティッシュをケースの底にひきます。 そこに先ほど作った人工蛹室を入れます。
しかしこのままだと隙間があり不安定なので、ティッシュを詰めておきます。 これで準備はできました。
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キノコのはえた蛹室から蛹を救出し、人口蛹室に投入します。
蛹を傷つけないように菌糸ビンを慎重に掘り出します。 左写真のような状態を「露天堀り」といって、この状態で羽化までもっていかれる方もおられます。
そして救出した蛹を人工蛹室に移します。 蛹の取り扱いはくれぐれも慎重に。
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蓋をしめて作業完了です。 あとは羽化を待つばかり・・・。
水分保持に優れているオアシスですから、最初に湿らせておけばかなり大丈夫だと思いますが、時々乾燥していないかチェックしましょう。
以上で終了です。
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人口蛹室を使った例を一部以下に掲載しておきます。
オオクワガタ ・・・ 前蛹の状態で人口蛹室に移し蛹化、羽化までもっていった。
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コルリクワガタ ・・・ 羽化シーンの写真はありませんが、このような小型種でも無事羽化しました。
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ネブトクワガタ ・・・ 土繭を作るタイプなのでどうかと思ったが、無事羽化させることができた。
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ヘラクレスヘラクレス ・・・ かなりの大型種なのでオアシス1つ分の大きな蛹室が必要です。
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